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水際対策緩和、遅れる日本 英仏伊は接種証明で隔離不要

撤廃に慎重、ビジネス往来の妨げに

英国は水際対策の緩和でビジネスや旅行需要の回復を図る(6月、ロンドンのヒースロー空港)=ロイター

新型コロナウイルスの水際対策の緩和で日本の遅れが鮮明だ。英政府は10月から、ワクチンの接種証明があれば一部の渡航者は入国後の自己隔離を不要にすると決めた。フランスやイタリアも接種証明で隔離を免除する。世界でビジネス往来が活発になる中、厳しい水際対策を続ける日本は取り残されかねない。

英政府の17日の発表によると、日本やシンガポール、台湾など17カ国・地域からの渡航者が緩和の対象となる。接種証明があれば、隔離なしですぐに外出できる。現在は10日間の隔離を求め、欧州連合(EU)や米国などで発行した接種証明だけを有効とする。

渡航前検査も緩める。「感染が深刻でない」と分類した国・地域からの渡航者は、接種を完了していれば渡航前の検査は不要になる。入国後のPCR検査も簡易検査で代替可能にする考えだ。

英国だけではない。フランスは同国が有効と認める接種証明があれば、7日間の自己隔離や入国時の検査を免除している。イタリアでも日本や米国などからの渡航者は接種証明があれば、自己隔離が原則免除される。シンガポールもドイツなどからの入国者を対象に、接種を条件に入国時の隔離を免除した。

米国は連邦政府としては接種証明の仕組みを採用せず、各州に判断を委ねている。米疾病対策センター(CDC)の指針によると、検査が陰性であれば、ワクチン接種を完了した人の入国後の隔離は求めていない。

EUは7月から接種履歴などを証明する「デジタルCOVID証明書」の本格運用を始めた。加盟27カ国やスイス、ノルウェーなどではQRコードを提示すれば、国境を越える時の隔離や検査を不要とした。

ビジネス往来や旅行需要を回復させる狙いだ。英政府は「コロナとの共生」を掲げ、経済活動と感染抑制の両立を探る。英国内だけでなく海外でも接種が進み、航空業界などが規制の早期緩和を要望していた。

一方、日本は入国・帰国時の隔離期間を14日間と定め、世界でも厳しい水際対策を維持したままだ。経団連は6日、ワクチン接種者を対象に隔離を免除すべきだとの提言を発表した。政府も9日に水際対策を段階的に緩める方針を示し、接種者の隔離期間を縮める検討に入ったが、撤廃には慎重な姿勢を崩さない。

水際対策の緩和が遅れると、海外のビジネス客らが日本を訪れにくくなるだけではない。日本から米国や欧州に出張する場合も、帰国後に2週間の隔離があるため、出張をためらいかねない。

接種証明の仕様の互換性をどう確保するかも課題だ。日本政府が7月下旬に交付を始めた「ワクチンパスポート(接種証明書)」は現時点で30を超える国・地域で有効だが、ビジネス往来が多い米国本土は含まない。出入国の制限は両国が同じ条件を課す「相互主義」が原則。海外の水際対策の緩和は日本での議論にも影響する。

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