経済危機のスリランカ、出稼ぎ労働者数が過去最多に
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スリランカから外国への出稼ぎ労働者が急増している。2022年は31万1269人と統計を開始した1986年以降で最多となった。21年比では2.5倍で、新型コロナウイルスの感染が拡大する前の19年と比べても1.5倍に増えた。背景にあるのが外貨不足に端を発した経済危機だ。
多くの国民の生活水準が悪化するなか、外国で職を探して自国への送金をめざす動きが加速している。政府も外貨を獲得するため出稼ぎを後押しする。22年に女性の外国での労働を認める最低年齢を引き下げた。出稼ぎ労働者の急増が国外への人材流出につながるとの懸念も浮上している。
(武藤珠代)