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米英、柔軟なワクチン接種 競技場など活用 予約効率化

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ヤンキースタジアムでワクチン接種を待つ人々(3月4日)=AP

新型コロナウイルスのワクチン接種で先行する米英などでは、柔軟なインフラ整備を通じて迅速に接種できる体制を構築した。広大なスペースを確保するために競技場やテーマパークを接種会場として利用したり、医師以外にも接種できる人を広げたりした。インターネットで予約が完結する仕組みも設け、接種までの障害を少しでも減らそうとしている。

米ニューヨーク州は大リーグ、ヤンキースの本拠地「ヤンキースタジアム」やメッツの本拠地「シティ・フィールド」などで24時間体制でワクチンを接種した。ヤンキースタジアムでは2月の開始以降、3月末までに5万2千人以上を対象に計8万回以上の接種を実施した。

カリフォルニア州ではディズニーランドの駐車場を4月末までワクチン接種会場とし、3カ月強で20万回以上を接種した。米疾病対策センター(CDC)によると全米の18歳以上の人口のうち、半数近くが所定回数のワクチン接種を完了している。

人員確保も急ピッチで進んだ。米国では薬局チェーンやスーパーでの接種も可能としたため、薬局大手のCVSやウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、スーパーのウォルマートは薬剤師をかき集めて訓練を実施。店舗で接種できる体制を確立した。バイデン政権は3月、ワクチン接種を行う人員をさらに増やすため歯科医や獣医、医学生などによる接種も認めた。

全成人の約4割が2回のワクチン接種を済ませた英国でも、病院のほかサッカースタジアムや薬局、教会など様々な施設を接種会場にし、市民が自宅から遠くない場所で受けられる体制を整えている。

接種作業にあたる人員の不足が起きないようボランティアも総動員する。英政府は2020年10月に医薬品規制を改正し医療資格がない人でも訓練を経て認められればワクチン注射を打てるようにした。

迅速な英国の接種を支えるのが、公費で無料の医療サービスを提供する「国民医療制度(NHS)」だ。長期滞在の外国人も含めて大半の市民が登録するNHSは、コロナ禍前からデジタルを活用して一元的な情報集約化を進めてきた。同システムがワクチン管理にも生きた。接種の案内はNHSに登録した携帯電話宛てのメッセージで届き、予約もインターネットでできる。

シンガポールでも接種予約がインターネットで完結する。

政府のワクチン専用サイトで名前や携帯電話番号、身分証明証番号などを入力すると、後日予約サイトの案内が携帯に送られてくる。希望の日時と接種会場を選べば5分程度で予約は完了する仕組みだ。クーポン券や予約の電話などを介在する日本の接種予約システムと対照的に、トラブルとは無縁だ。(ニューヨーク=野村優子、ロンドン=篠崎健太、シンガポール=中野貴司)

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