ロシア軍演習場で乱射、11人死亡 ウクライナ侵攻の拠点

ウクライナ国境に近いロシア西部ベルゴロド州の軍演習場で15日、複数の実行犯による乱射があり、多数が死傷した。ロシア国防省によると、11人が死亡、15人が負傷した。同省は「テロ事件」と発表した。この演習場はウクライナに侵攻するロシア軍の拠点で、射撃訓練の最中だった。
ロシア国防省によると、容疑者2人は直後に射殺された。2人は旧ソ連構成国の出身だという。ロイター通信によれば、ウクライナのゼレンスキー大統領の顧問はユーチューブを通じ、2人は中央アジアのタジキスタン出身で、宗教を巡って口論があった後、発砲したと指摘した。タジキスタンはイスラム教徒が多い。
ロシアのプーチン大統領の命令で動員された予備役が集められていたとの報道や、近隣州から訓練に来た義勇兵が死亡したという情報がある。
ロイター通信によると、ベルゴロド州知事は16日に投稿した動画で「恐ろしい出来事が起きた」と表明し「多くの兵士が殺害され負傷した。死傷者のなかにベルゴロド州の住民はいない」と述べた。
一方、ゼレンスキー氏は15日のビデオ演説で、ロシア軍が14日と15日にミサイルや無人機による攻撃を各地で続け、死傷者が出たと明らかにした。ウクライナの電力会社ウクルエネルゴは15日、インフラがロシア軍の攻撃で損壊したとして、首都キーウ(キエフ)を含むキーウ州の住民に夜間の節電を呼び掛けた。
ゼレンスキー氏はロシア軍の2月の侵攻開始後の戦死者が「6万5千人に近づいている」とも指摘した。そのうえで「占領者に東部でも南部でも勝つ見込みがないと分からせるため、すべてのことをしている」と強調した。
ベラルーシ国防省は15日、同国軍との合同部隊に加わるロシア軍の部隊がベラルーシ領内に入ったと明らかにした。タス通信が伝えた。これに先立ちベラルーシのルカシェンコ大統領は、国内に駐留する合同部隊を編成することでプーチン氏と合意していた。

2022年2月、ロシア軍がウクライナに侵攻しました。戦況や世界各国の動き、マーケット・ビジネスへの影響など、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
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