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米下院公聴会、韓国の対北朝鮮ビラ禁止に懸念の声相次ぐ

米議会下院の超党派の「トム・ラントス人権委員会」は15日、韓国で成立した北朝鮮向けのビラ配布を禁じる法律を巡り、オンラインの公聴会を開いた。人権団体代表や専門家らが出席し、表現の自由が損なわれるとの懸念を表明した。米議会が韓国の対北朝鮮政策について公聴会を開くのは異例で、南北融和に傾く文在寅(ムン・ジェイン)政権への不信感を映しているとの見方がある。

北朝鮮自由連合のショルティ代表は15日の米公聴会で北朝鮮向けのビラ禁止法に懸念を示した

韓国の脱北者団体はビラを風船に付けて北朝鮮に飛ばしてきた。ビラには金正恩(キム・ジョンウン)体制を批判する内容が書かれ、1ドル札が付けられることもある。2020年6月には金正恩総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長がビラに反発して、開城(ケソン)の南北共同連絡事務所を爆破する事態に発展した。

これを受け、文政権は2021年3月に施行した改正南北関係発展法でこうしたビラ配布を禁止した。違反すると3年以下の懲役が科される恐れがあり、野党や米国などから人権や表現の自由の侵害を懸念する意見が出ていた。

公聴会に出席したアジア情勢に詳しい作家のゴードン・チャン氏は「文大統領は北朝鮮との融和にこだわるあまり民主主義の根幹を損ねた」と述べ、同法の適用範囲が解釈によって広がる恐れを指摘した。

北朝鮮の人権問題に取り組む「北朝鮮自由連合」のスザンヌ・ショルティ代表は「北朝鮮住民が外部から情報を得る機会を失った」と文政権の対応を非難した。与党・民主党のジム・マクガバン下院議員は「表現の自由と北朝鮮政策は明確に分けて考えるべきだ」と述べ、同法の見直しを訴えた。

ただ、北朝鮮との融和路線を掲げる文政権は批判が強まってもビラの禁止措置を変えない方針だ。22年に控える次期大統領選をにらみ、革新色の強い施策で支持につなげる思惑もある。ただ、バイデン政権内でも南北融和を最優先する文政権の外交政策に懸念の声がくすぶる。5月にも開かれる米韓首脳会談でも北朝鮮への対応は主要議題になるとみられる。(井上航介、ソウル=恩地洋介)

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