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トルコ、中央アジア諸国と新機構 アフガンにらみ影響力

【イスタンブール=シナン・タウシャン】トルコが旧ソ連・中央アジア地域での存在感を高めようとしている。民族・文化・歴史が近い国々と首脳会議を開き、従来の枠組みを「チュルク諸国機構」に改組すると決めた。イスラム主義組織タリバンの制圧で不安定なアフガニスタン情勢をにらみ、この地域でロシア、中国といった大国と影響力を競う構えだ。

本部があるイスタンブールで12日に開いたのは「チュルク語系諸国協力会議」(チュルク評議会)の首脳会議だ。正式メンバーはトルコ、アゼルバイジャン、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスの5カ国。新たにトルクメニスタンのオブザーバー参加を認めた。ほかにハンガリーがオブザーバーとなっている。

チュルク評議会は2009年に設立され、首脳会議は今回が8回目。

首脳会議ではチュルク評議会を「チュルク諸国機構」に改組することで合意した。オブザーバーの要件を厳格化し、「パートナー」という新たな資格を設けた。トルコのエルドアン大統領は会議後の記者会見で「世界規模の問題の解決に向け、主導的な役割を果たす」と述べ、機構を新たな安定の枠組みとして育てていく姿勢を示した。

エルドアン氏によると、チュルク諸国機構は組織として体制やビジョンを強化する。採択した「イスタンブール宣言」は、機構が「緊密な政治面の団結、経済協力を追求し、ビジネスや文化での交流を深める」と指摘した。アフガンに対する人道支援の継続や、同国の経済を再建するための国際社会の支援も呼びかけた。

トルコを訪れたカザフスタンのイルガリエフ国民経済相は、メンバー各国が機構を通じ、製造、貿易、物流などの各分野で関係を深められると説明した。機構は22年後半に投資基金の設立を決める予定で、これも経済振興に寄与するとの見通しを示した。

参加国の拡大も目指す。アゼルバイジャン出身の機構幹部によると、約15カ国がオブザーバーやパートナーとしての参加に関心を持つ。トルコ系のクリミア・タタール人が住むウクライナがオブザーバー参加の意向を表明した。ウクライナは14年、同国南部のクリミア半島がロシアに占領され、トルコとの関係強化を探るようになった。

チュルク諸国機構は250万回分の新型コロナウイルスのワクチンをアフリカ諸国に提供すると決めた。このうち200万回分はトルコが供与する方針だ。国際社会での発言力を強める狙いがあるとみられる。

チュルク諸国機構に改組した背景には、8月のアフガン駐留米軍の完全撤収がある。「力の空白」が生じ、近隣の中央アジア諸国は混乱による難民や過激派の流入を警戒する。トルコはチュルク諸国機構を主導し、中央アジア諸国の利益を守ることで、この地域への影響力を巡り、ロシア、中国、インド、イランと競う考えだ。

中央アジア諸国の多くは地下資源が豊かで、アジアと欧州を結ぶ要衝にある。正式メンバーの5カ国にトルクメニスタンを加えたチュルク諸国機構の6カ国の国内総生産(GDP)は計1兆ドル(約110兆円)を超え、人口は約1億6000万人にのぼる。

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