サハリン1新会社設立へ 「対応検討」と経産相

ロシア政府は13日、極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン1」について、事業を移管する新会社の設立を命じるミシュスチン首相名の政令を公表した。外国の出資者は設立から1カ月以内に、新会社への参加に同意するかどうか通知するよう求められる。
ロシア側の動きについて、西村康稔経済産業相は14日の閣議後の記者会見で、サハリン1はエネルギー安全保障上、重要だと指摘した上で「詳細を確認中だ。関係者と協議して今後、対応を具体的に検討したい」と述べた。
政令は12日付。生産活動を担う中核企業にサハリン1に出資するロシア国営の石油大手ロスネフチの子会社を指定し、事業運営にロシア政府の影響力を確保した。新会社はサハリン州ユジノサハリンスクに置かれる。
サハリン1には米石油大手エクソンモービルとロスネフチ、日本のサハリン石油ガス開発、インドの石油天然ガス公社が参画。3割の権益を持つサハリン石油ガス開発に経産省、伊藤忠商事、丸紅、石油資源開発、資源開発大手のINPEXが出資している。
3割の権益を持つエクソンは、ロシアのウクライナ侵攻後の3月に撤退を表明。原油生産が事実上停止している。
ロシアのプーチン大統領は今月7日、サハリン1の新会社を設立し事業を移管するよう大統領令で命じた。ロシアは既に「サハリン2」で同様に新会社への移行を決定。英石油大手シェルは撤退したが、三井物産と三菱商事は新会社に出資する方針を示しロシア側の承認を得た。(共同)