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東京五輪、外国人職員が奔走 世界と地域の懸け橋に

14日、神奈川県平塚市でリトアニア選手団を出迎えるチェカナビチューテ・ラサさん(左)=同市提供

東京五輪開幕を控え、参加国のホストタウンとなった自治体で外国人職員が活躍している。新型コロナウイルスの感染拡大が続き、各国選手団との交流行事の多くが中止となったほか、事前合宿そのものが取りやめになった自治体も多い。それでも、世界と地域の懸け橋として、五輪をきっかけに国際交流を深めようと奔走している。

神奈川県平塚市の国際交流員、チェカナビチューテ・ラサさん(31)は14日、同市のホテル前で母国リトアニアの柔道選手団を出迎えた。「コロナで不安があると思うが、できるだけ気持ちよく迎えたい」と話す。新型コロナ対策で合宿中の移動など様々な制約があるが、チェカナビチューテさんがリトアニア語で丁寧に説明することで「選手団にも安心感を与えている」(同市)と評価する。

平塚市は2016年にリトアニアのホストタウンとして登録された。同国との交流を深めるため、日本に住むチェカナビチューテさんに白羽の矢を立て、20年10月に同市初の国際交流員として任用した。日本語や英語でのユーチューブやツイッターを通じた発信のほか、セミナーでの講師を務めるなど、リトアニアとの交流を進める。「大会終了後も交流を継続し、末永く友情の絆を育みたい」(同市)と期待する。

政府によると、500を超える自治体がホストタウンに登録している。事前合宿や交流を円滑にするため、ホストタウン登録を機に、外国人を採用した自治体も多い。

セルビア出身で埼玉大学大学院に留学中のアナ・ロゴさん(26)は2019年から埼玉県富士見市で非常勤職員として働く。同市はレスリングのセルビア代表の事前合宿のホストタウンで、ロゴさんは7月末までの合宿期間中、選手らの通訳や身の回りの世話を担う。「ただでさえ感染防止に神経をすり減らす選手たちを精神面でもサポートできれば」と話す。

山梨県山中湖村のトム・ボシスさん(27)は 国際交流員としての任期が終わった後も同村に残り、母国フランスの自転車競技代表の受け入れで調整役を務める。自らも元プロとして競技に関わった経験を生かし、通訳だけでなく、日本で手に入る食材の手配など栄養管理にも関わり、選手が最高の状態で大会に臨めるよう心を砕く。大会をきっかけに「山中湖村を自転車の聖地にしたい」と意気込む。

五輪の事前合宿受け入れを巡っては、少なくとも100以上の自治体で事前合宿が中止となった。それでも国際交流が途絶えたわけではない。

「残念だけど、安全のためには仕方ない」。宮崎県延岡市のドイツ人国際交流員、カリナ・ブブリスさん(32)は流ちょうな日本語でこう話す。予定されていた柔道ドイツ代表の事前合宿は中止となったが、男子代表などがこれまでに4回来日し、地元住民と交流した。延岡市滞在が約5年になるブブリスさんは、本場ドイツさながらの「クリスマスマーケット」を開催する実行委員長を務めるなど、地域との関わりを深めている。

事前合宿は中止となったが、延岡市はドイツ柔道代表団との交流を重ねてきた(右から2人目がブブリスさん)=同市提供

山形県南陽市の国際交流員、スプリンガー・ドーンさん(25)は出身地の中米バルバドスの選手が合宿に来ないことが決まり、「子どもたちとの交流も予定していたのに本当に残念だ」と肩を落とす。ただ、約4年間の任期中に学校訪問などでバルバドスの文化を伝えられたことには手応えを感じる。8月末に任期満了となるが、「日本に残りたい」と口にする。

(鈴木淳、竹内弘文、井上航介)

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