トルコ大統領、プーチン氏にウクライナ穀物合意拡大訴え

【イスタンブール=時事】トルコのエルドアン大統領は11日、ロシアのプーチン大統領と電話で会談し、ウクライナ情勢を巡り協議した。エルドアン氏はこの中で、ウクライナ穀物輸出合意の対象を他の商品にも拡大するよう呼び掛けた。
穀物合意は今年7月、トルコと国連がロシアとウクライナを仲介する形で成立した。トルコ大統領府の声明によると、エルドアン氏は合意によりこれまでに「1300万トン以上の穀物が(世界各地の)必要とする人々に届けられた」と指摘。4者が引き続き協力を進め、穀物以外の産品の輸出も段階的に始めるべきだと訴えた。
ロシア大統領府によれば、両首脳はウクライナのみならずロシアからの産品輸出も進めることを確認。先に首脳間で議論したロシア産天然ガスの輸出拠点をトルコに設置する計画や、トルコがクルド人勢力に対する新たな地上作戦を検討するシリア北部を巡る状況について意見交換した。
エルドアン氏はこの後、ウクライナのゼレンスキー大統領とも電話で会談。ゼレンスキー氏はツイッターに投稿し、穀物合意の「拡大の可能性」について話したと明らかにした。
一方、ウクライナ南部の港湾都市オデッサでは10日、ロシア軍によるエネルギー関連施設への攻撃で深刻な停電が発生した。攻撃にはイラン製ドローンが使われたとみられる。オデッサは穀物の積み出し港で、混乱が続けば穀物輸出に支障が出るのは避けられない状況だ。

2022年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって1年になります。戦況や世界各国の動き、マーケット・ビジネスへの影響など、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
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