バイデン氏事務所から機密文書 米報道

【ワシントン=時事】米CBSテレビは9日、首都ワシントンのシンクタンクに所在するバイデン大統領の個人事務所から、オバマ政権で副大統領だった頃の10組ほどの機密文書が見つかったと報じた。バイデン氏はトランプ前大統領による機密持ち出しを「無責任だ」などと批判していたが、「ブーメラン」となって返ってくる可能性がある。
ホワイトハウスは同日声明を発表し、「機密の分類が付いた複数の文書の扱いについて国立公文書館や司法省と協力している」と報道を大筋で認めた。
機密文書は昨年11月、米ペンシルベニア大付属の外交政策シンクタンクにあるバイデン氏の個人事務所を引き払う際、バイデン氏の弁護士が鍵の掛かった棚から発見した。機密の内容や分類レベルは不明。「大統領記録法」は大統領や副大統領に対し、公務に関する資料を国立公文書館に引き渡すよう定めている。
バイデン氏は2017年半ばから20年の大統領選活動開始にかけて同事務所を利用していた。CBSによると、バイデン氏は当該文書の内容を把握しておらず、弁護士から知らされたという。文書は発見翌日に国立公文書館に返却された。
公文書の保管を巡っては昨年、トランプ氏が退任時にホワイトハウスから大量の機密文書を自宅に持ち出していたことが明らかになり、特別検察官らが捜査している。トランプ氏は当局の度重なる返却要請に応じず、スパイ防止法違反などの容疑で家宅捜索を受けた。