インドと中国、係争地の一部から撤退 北部ラダック地方

【ニューデリー=馬場燃】インド国防省は8日、インドと中国の両軍が国境係争地の一部から撤退したと発表した。インド北部ラダック地方の温泉地域にあたり、両軍の一部が撤退するのは約1年ぶりとみられる。7月に開いた両軍の司令官レベルの協議に基づいて退いたとしている。
両軍は2020年5月に国境係争地で衝突し、翌月には45年ぶりに死者を出した。係争地は複数の地域にわかれ、現在も総勢10万人程度が配備されているとみられる。一部の地域から撤退したものの、両軍は係争地で道路や橋などのインフラ増強を進めており、全面撤退につながるかどうかはなお不透明だ。