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サウジ皇太子、断交解消のカタール訪問 結束を演出

【ドバイ=岐部秀光】サウジアラビアの実力者ムハンマド皇太子が8日夜、今年1月まで断交状態にあったカタールを訪問した。オマーン、アラブ首長国連邦(UAE)に続く湾岸諸国歴訪の一環。米国による中東への関与低下や、イランの脅威が高まったことを背景に、カタールや周辺国との協力関係を立て直す。

サウジの指導者がカタールを訪れるのは、2017年にカタールに対し、一方的に断交を突き付けて以来初めてとなる。サウジはUAEやバーレーンなどとともに、今年1月に断交を解消している。

ムハンマド皇太子は8日夜、カタールのタミム首長と会談した。タミム首長はツイッターで「カタールとサウジの兄弟関係は、共通の歴史と先行きについての固い基盤のうえに成り立っている」と述べた。

サウジは来週半ば、湾岸アラブで構成する湾岸協力会議(GCC)首脳会議を首都リヤドで主催する。サウジが主導したカタール断交を巡っては、オマーンやクウェートが従わず、GCC内部で亀裂が広がっていた。今回の歴訪はGCC首脳会議の開催を前に、関係を地ならしする意味合いがある。

中東情勢を巡っては、イランの原子力活動を制限する見返りに、同国への制裁を解除するイラン核合意の再建協議がオーストリア首都ウィーンで再開したばかりだ。皇太子がGCCの再結束を急ぐ背景には、核合意の再建で欧米や中国、ロシアがイランの有利な形で譲歩しないようけん制する狙いもありそうだ。

サウジやUAE、バーレーンなどはイランの脅威への警戒が強いのに対し、カタールやオマーンはイランと一定の関係を維持してきた。米国の中東政策の変化をにらみ、サウジもカタールなどとの関係強化に加え、イランとの水面下の話し合いを始めた。

カタールが支援する「ムスリム同胞団」などのイスラム主義勢力については、サウジやUAEはいまも脅威とみなしている。ただ、米軍が撤収後のアフガニスタンでイスラム主義勢力のタリバンが支配を固め、タリバンとの関係を維持してきたカタールの中東政治における重要性が高まった。

カタールはさらにサウジと対立関係にあるトルコとも密接な関係を持つ。皇太子の訪問の直前にトルコのエルドアン大統領もカタールを訪れていた。

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