イスラエル軍、西岸で再び急襲作戦 パレスチナ6人死亡

【エルサレム=共同】イスラエル軍が占領するヨルダン川西岸ジェニンで7日、軍が反イスラエルの武装パレスチナ人を拘束する急襲作戦を実施、パレスチナ側が反撃し衝突が発生した。パレスチナ自治政府保健省はパレスチナ人6人が死亡、26人が負傷したと発表した。イスラエル側も負傷者が出た。国際社会の懸念表明にもかかわらず、暴力の連鎖が続いている。
イスラエル軍によると、軍や警察の部隊は2月下旬に西岸北部ハワラでユダヤ人入植者2人を殺害したパレスチナ人の男が立てこもるジェニンの難民キャンプの住宅を包囲、銃撃戦となった。軍は携行式ミサイルも使用した。男はイスラム組織ハマスのメンバー。
イスラエルのネタニヤフ首相は声明を発表し、軍の活動を称賛、「われわれを傷つける者は代償を払うことになる」と強調した。
自治政府のアッバス議長の報道官は「凶悪な犯罪だ」とイスラエル側を非難した。
イスラエルで対パレスチナ強硬派のネタニヤフ政権が発足した昨年末以降、イスラエル、パレスチナ双方による暴力が続き、沈静化の兆しは見えない。パレスチナ通信によると、今年に入りイスラエル軍やユダヤ人入植者に殺害されたパレスチナ人は計73人に上る。
ハワラで殺害された入植者2人を巡っては、報復を叫ぶ入植者数百人が2月26日夜、数十軒の住宅や数十台の車を無差別に放火、激しい国際的な非難を浴びている。