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米欧・中ロ、対タリバンで溝 暫定政権は女性排除

タリバンの報道担当者は7日、身内のメンバーだけで固めた暫定政権を発表した=AP

【ニューデリー=馬場燃、ワシントン=中村亮】アフガニスタンを掌握したイスラム主義組織タリバンの暫定政権を巡り、米欧と中ロの間で溝が生じている。タリバンの暫定政権は主要閣僚から女性を排除し、米欧は教育の禁止など女性の権利が侵害される事態を懸念する。主要7カ国(G7)などの外相は8日にアフガン情勢を協議するが、ロシアが不参加を表明するなど足並みが乱れている。

「国際的な法律や条約はイスラム法に反しない範囲で順守する」。タリバン最高指導者のアクンザダ師は7日、暫定政権の発表後に声明を出した。長い声明文の中では女性という言葉を一度も使わず「アフガンはイスラム法で規定されていく」と強調した。

タリバンは8月15日にアフガンを制圧し、約3週間過ぎてから暫定政権の主要閣僚をようやく発表した。タリバンは国内の融和をアピールするために「包括的な政権」をめざすと強調。女性や旧政府高官の起用を示唆していたが、フタをあけてみれば33人の閣僚・高官はすべてタリバンのメンバーで占められ、女性も入っていない。

米国務省の報道担当者は7日の声明で、暫定政権に女性が参加していないことに触れて「排他的に構成されている」との見解を示した。主要閣僚については「何人かの所属や経歴を懸念している」と指摘した。特に念頭にあるのは武闘派グループを率いるハッカニ氏で、01年9月の米同時テロを起こした国際テロ組織アルカイダとつながりが深いとされることを問題視している。

米欧は暫定政権の体制を見極めたうえで国家承認するか判断すると主張していた。過激なイスラム主義思想を抱えるタリバンだけで固めた暫定政権の枠組みでは、承認取り付けは困難とみられる。英国はタリバンの暫定政権を認めないことを既に表明している。

G7の外相は8日、トルコやカタールなど関係国を交えてアフガン情勢を議論する。タス通信によるとロシア外務省は7日、独仏から参加の打診を受けたが「出席しない」と明言した。一方でロシアはタリバンが近く予定する暫定政権樹立の記念式典には喜んで出席するとしている。

タリバンは式典に中国、パキスタン、イランなどの代表も呼ぶ方向だが、米欧を招く可能性は低い。中国外務省の汪文斌副報道局長は8日の記者会見で、暫定政権について「無政府状態を終結させたもので、アフガン国内の秩序回復と戦後再建に重要な一歩だ」と歓迎した。タリバンがイスラム過激派などテロ組織と関係を断ち切りテロ対策に取り組むよう期待を示した。

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