イランがロシアに核支援要請か、合意失敗に備え 米報道

【ワシントン=共同】米CNNテレビは6日までに、米当局者の話として、核活動を制限されてきたイランが核開発の拡大に向け、ロシアに支援を要請しているとの情報があると報じた。イラン核合意の修復を目指す交渉が失敗した場合に備える目的があるとの分析を伝えた。ロシアが要請に応じるかどうかは不明としている。
イランはウクライナに侵攻を続けるロシアに無人機(ドローン)を提供し、安全保障面での連携を強めている。報道が事実であれば、核合意で定められた基準を大幅に超えてウラン濃縮活動を続けるイランに対し、懸念が一層強まりそうだ。
CNNによると、イランはロシアに対し、核物質の調達や核燃料の製造に関する支援を求めているという。イランが核兵器製造に必要な高濃縮ウランを獲得するまでの期間は現在数週間以下とされるが、さらに短くなる可能性がある。
ロシアは米欧などと共に、制裁解除を見返りとしてイランに核開発制限を義務付けた核合意の当事国。これまでイランの核武装を支持しない姿勢を表明してきた。
核合意を巡っては、2018年のトランプ前米政権による制裁再発動を端緒に、イランも19年から核開発を拡大。合意修復に向けた米国とイランの間接協議は今年秋に入り、停滞が鮮明になっている。