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ロシアが情報統制急ぐ SNS遮断、報道でも世界と断絶

ウクライナ侵攻をめぐりロシアのプーチン政権が情報の戦時統制を強めている。主要なSNS(交流サイト)への接続を遮断すると4日に発表した。政権が「虚偽」とみなす情報を広げた場合に刑罰を科せるように法改正し、外国メディアも活動停止に追い込まれた。

米欧の制裁で経済が混乱し、侵攻による犠牲者が膨らむなか、国民の不満の封じ込めに躍起になっている。米欧の制裁により世界の金融やモノの流れから排除されつつある。言論統制で、ロシアは情報面でも世界との断絶が進むことになる。

ロシアの通信監督当局が4日に米メタ(旧フェイスブック)が運営するフェイスブック(FB)への接続遮断を発表した。タス通信によると、米ツイッターへのアクセスも制限した。

当局はFBがロシア国営メディアへのアクセスを制限したことが理由と主張した。実際は外国系SNSの遮断で国民の反戦機運の高まりを阻む思惑がある。

国営メディアがロシア軍を歓迎するウクライナ住民とされる映像などを盛んに流すのに対し、SNSでは攻撃で犠牲となったウクライナ人や捕虜になったロシア兵の情報が一気に拡散する。若年層は当局による通信規制を回避できる「VPN(仮想私設網)」を使ってFBなどの閲覧継続を試みるとみられる。

情報統制の矛先はロシア国内の情報を現地を拠点に発信してきた米欧メディアにも向かう。

4日にはロシアの軍事行動に関して「虚偽」の情報を広げた場合に刑事罰を科す改正法案がプーチン大統領の署名で成立した。外国人も対象で、最大15年の懲役や禁錮といった重い刑罰が科される可能性がある。

法律を受け、米欧主要メディアは記者の安全確保のため相次いでロシアでの取材活動の一時停止を決めた。ロシア語のニュースサイトも運営する英BBCはすべての記者の取材活動を停止した。

ロイター通信によると、米CNNやブルームバーグ通信なども続いた。刑罰を科す「虚偽の情報」の対象は明らかになっておらず、政権に不都合な情報を封じるために乱用される恐れが高い。

政権は侵攻開始後に独立系メディアへの弾圧を一段と強めていた。最高検察庁は1日までに有力ラジオ局「モスクワのこだま」、テレビ局「ドシチ(雨)」の放送遮断を決定。両局は活動停止に追い込まれた。

締め付けは政権が一定の批判を黙認してきた独立系新聞にも及ぶ。

当局はロシアの公式発表にだけ基づく報道をメディア各社に要請。2月26日にはノーベル平和賞をムラトフ編集長が受賞した独立系新聞「ノーバヤ・ガゼータ」に対し、ロシア軍に不利な報道を控えるよう国防省が求めた。

政権は侵攻を批判する報道をするように欧米が圧力をかけていると根拠のない論理を展開する。

独立系メディアはこれまでロシアにも報道の自由があると政権が主張するために、存続を許されているとみられてきた。ソ連末期から続いてきたこうしたメディアまで閉鎖する判断に至ったことは、政権がもはや民主主義の体裁を取り繕うことすら不要だと考えていることを示唆する。

なりふり構わぬ統制強化はウクライナの制圧が計画通りに進まないことへの政権の焦りを映す。世界的な孤立を深めるプーチン氏がさらなる強硬手段に訴えることも予想される。

日本経済新聞社は改正法の適用範囲や運用など詳しい情報が得られるまで、ロシア国内からの報道を一時的に見合わせます。

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