米中関係 対立、経済・ハイテクから安全保障にまで拡大
きょうのことば
▼米中関係 国内総生産(GDP)で世界1位の米国と同2位の中国の関係は、両国が軍事大国であることも影響し、「世界で最も重要な2国間関係」と呼ばれる。1979年1月の国交樹立以降、米中は時に対立しながら、基本的には米国が中国の将来の民主化を期待して経済発展を支援する「関与政策」を取ってきた。

2017年に誕生したトランプ政権で米中関係は転機を迎えた。トランプ氏は中国製品に高関税をかけ、ハイテク分野でも中国を締めつけた。中国が知的財産保護や産業補助金の抑制など国際ルールを順守しようとしないことが背景にあった。
21年1月に大統領に就いたバイデン氏は習近平(シー・ジンピン)国家主席と個人的なつながりがあったこともあり、中国は米中関係が好転すると期待した。実際にはトランプ政権時代の高関税を維持するなど好転しなかった。むしろ22年8月にペロシ米下院議長(当時)が台湾を訪問すると中国が猛反発し、対立は経済・ハイテクから安全保障にまで広がった。