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インドで電力逼迫 火力発電所の半数、石炭在庫3日未満

インドで電力不足への懸念が高まっている。石炭在庫の減少で火力発電所の半数以上で電力供給が可能な日数が3日を切った。経済再開によるエネルギー需要の急増や石炭価格の上昇が背景にある。中国に続いてインドでも電力不足が深刻化すれば、世界的なサプライチェーン(供給網)の混乱に拍車をかける恐れがある。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、インドに135ある火力発電所の半数以上で石炭在庫が3日分未満となった。発電所全体では1日時点の石炭在庫は平均4日分と、8月初めの同13日分から大きく減少した。ロイター通信によると、インドでは電源構成に占める石炭火力発電の割合が約7割にのぼる。

需給逼迫の背景にあるのが、世界的な石炭価格の上昇だ。インドでは新型コロナウイルスの感染者が減少したのに伴う経済活動の再開で、エネルギー需要が急増した。8~9月の電力消費量はコロナ危機前の2019年同時期を上回ったが、価格高騰で石炭の輸入量を絞っていた。政府系の石炭大手コール・インディアが8割を占める安い国産石炭の供給も追いついていない。

石炭の需給逼迫による深刻な電力不足は、中国で既に明るみに出ている。約20の地域で電力不足が相次ぎ、東北部の遼寧省などでは停電も起きた。米アップルなどに部品を供給する江蘇省の工場が操業を停止した。中国は冬の電力不足を回避するために化石燃料の確保に動いており、石炭価格がさらに高騰すればインドなど他の輸入国に影響が広がる可能性がある。

FTはインドのエコノミストの話として、同国の電力部門が「パーフェクトストーム(複数の災厄の同時襲来)」に直面しているとの見解を伝えた。石炭の生産量か輸入量を増やさなければ、停電は避けられず、政府による対策が喫緊の課題となっている。

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