菅首相退陣へ、海外メディアも速報 「政治不安定に」
菅義偉首相が3日、自民党総裁選への出馬を見送る意向を固めたことを海外主要メディアも相次いで速報した。就任から1年での突然の退陣方針に「米同盟国の日本に政治的な不安定さをもたらす」(米紙ウォール・ストリート・ジャーナル)と否定的な受け止めも目立った。
ウォール・ストリート・ジャーナルは次期首相が対米外交など基本政策を変えるとは考えにくいが、菅首相の退陣で「ほぼ毎年首相が交代し、国際的に日本の存在感が低下した1990年代や2006~12年のような時期に再び陥るリスクが高まる」と論じた。
新型コロナウイルス対策を巡り、菅首相の指導力が疑問視されたとの分析も相次いだ。
ロイター通信は「総選挙を前に感染拡大が過去最悪となり、(菅政権の)支持率は30%以下に落ち込んでいた」と説明した。米紙ニューヨーク・タイムズも「歴史的に人気がない政権」と断じた。菅首相が過去に裏方に徹してきたとして、指導者として表舞台に立つのは「居心地が悪そうに見えた」と振り返った。
中国の新華社通信や韓国の聯合ニュース、ロシアのタス通信なども日本での報道を転電する形で速報した。