ロシア外相「ヒトラーにユダヤ人の血」 イスラエル反発

【イスタンブール=時事】ロシアのラブロフ外相が1日、イタリアのテレビとのインタビューで、ユダヤ人を弾圧したナチス・ドイツの独裁者ヒトラーに「ユダヤ人の血が流れている」と発言し、イスラエルで反発が高まっている。同国のラピド外相は2日、「許せるものではない」と述べ、ロシア大使を呼び抗議する姿勢を示した。イスラエルのメディアが伝えた。
ラブロフ氏は、ロシアが軍事作戦を展開するウクライナを批判する文脈で「ゼレンスキー大統領がユダヤ系だからといって、ウクライナでのナチスの存在が否定されるわけではない」と主張。その上で、ヒトラーとゼレンスキー氏を「ユダヤ系」として同一視した。
エルサレムのホロコースト記念館(ヤド・バシェム)のダヤン館長は、ラブロフ氏の発言に対し「危険で、あらゆる非難に値する」と反発。ヒトラーがユダヤ系だというのは「全くの虚偽だ」と強調するとともに、ロシアが「ウクライナのナチス」に言及すること自体が「用語をねじ曲げ、ナチスの犠牲者を傷つけるものだ」と糾弾した。