前ローマ教皇に信者ら別れ バチカンの大聖堂で弔問
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【ローマ=共同】カトリックの総本山バチカンで2日、昨年12月31日に死去した前ローマ教皇ベネディクト16世の遺体がサンピエトロ大聖堂に安置され、信者らの弔問が始まった。4日までの予定で、多くの人たちが前教皇に別れを告げた。
弔問が始まる午前9時前から、大聖堂に隣接するサンピエトロ広場に長蛇の列ができた。約230㌔離れたフィレンツェから訪れたファウスタさん(73)は「責任感を持って教会や世界に貢献した。感謝を伝えたい」と悼んだ。
ローマ在住のエドアルドさん(80)は、故ヨハネ・パウロ2世が26年以上在位した後に引き継いだことに触れ「偉大な教皇の後で難しい時期だったと思うが、誠実に職務を果たした。亡くなったと聞き悲しかった」と話した。
この日は、イタリアのメローニ首相やマッタレッラ大統領も弔問に訪れた。
ANSA通信によると、バチカンを内包するローマの治安担当者の予測では、弔問には1日当たり3万~3万5千人が訪れるとみられる。サンピエトロ広場で5日に実施される葬儀には最低でも5万~6万人を見込む。
ローマ教皇フランシスコは昨年12月31日、バチカンでの行事で、前教皇について「気高く優しい人だった」としのび、カトリック教会への生前の貢献に対し感謝の言葉を述べた。
前教皇は2013年、高齢を理由に存命中の教皇として約600年ぶりに退位し、バチカンの修道院で生活していた。