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中国、融資に「秘密条項」多用 途上国と不平等契約

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2018年9月、中国を訪れたザンビアのルング大統領㊧と習近平国家主席=ロイター

中国が発展途上国向けに融資する際、中国にとって有利な返済条件となる「秘密条項」を多用していることが明らかになった。中国経済の成長が鈍るなか、対外融資でも債権回収を重視するようになったことが背景にある。中国優位の融資契約は、「債務のワナ」に陥った途上国の債務再編を難しくしている。

米ウィリアム・アンド・メアリー大学に拠点を置く研究機関エイドデータが3月31日、報告書を公開した。中国の対外融資は「契約内容が不透明」と国際的な批判を浴びており、個別契約の実態が明らかになるのは珍しい。

過去約20年間に24カ国に対して実施した100件の融資契約書を入手して分析した。延べ366億ドル(約4兆円)に上り、2020年に債務不履行(デフォルト)に陥ったアルゼンチンやエクアドル向けの融資も含んでいる。

報告書によると、途上国が債務返済において、他の債権国より中国を優遇するよう定めた契約が多かった。投資案件から生まれた収益を中国側が管理し、返済が滞った際の担保にするといった例もある。分析した契約の4分の3は、中国の融資がパリクラブ(主要債権国会議)が主導する債務整理を拒否できる条項を盛り込んでいたという。

中国に敵対的な行為を取らないことを、契約に明記した事例も判明した。例えば、中国国家開発銀行は10年にエクアドルと10億ドルの融資契約を交わした。その際に「エクアドルの政府機関が中国の不利益になる行為」をした場合、債務不履行とみなして貸し手が全額返済を求められることを規定していた。

中国の不利益にあたる行為という定義は曖昧だった。中国は融資条件についての秘密条項に加え、返済条件や貸し借りの存在そのものを対外的に公表させない守秘義務契約を結ぶ例が多かった。

中国は広域経済圏構想「一帯一路」のもと、投融資をセットにしたインフラ開発を進めてきている。報告書によると、中国国家開発銀行や中国輸出入銀行による15年以降の融資は、すべて融資条件についての守秘義務条項が付いていた。

中国の融資姿勢が一段と厳格になった背景には、国内の成長鈍化がある。資金流出も重なり、無計画に「チャイナマネー」の力を見せつける余裕がなくなった。米ボストン大学の研究者は、国家開発銀と輸出入銀の2行による海外向け開発融資額がピークだった16年(750億ドル)から19年には40億ドルに急減したと算出する。

一帯一路の融資状況に詳しい金融関係者によると、16~17年ごろから「(融資に)収益性も追求せよ」との中国当局の指示が国有銀行や開発業者に下ったという。開発費だけでなく、途上国からの要求で現地労働者の採用が増え、教育に必要なコストもかさむようになったことも背景にある。

この関係者は「費用対効果を勘案した結果、中国の融資金利はより高くなった」と語る。世界銀行などの融資金利が1%程度に対し、中国の融資は7%を超えるものもあるという。中国を優遇するよう突きつける条項も、融資効率を高める狙いがありそうだ。

こうした外部から見えない条件を付加する中国の「隠れ負債」問題は、各国の債務再編交渉を妨げている。ザンビアは20年に債務不履行に陥った。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、中国向け返済を優先した疑いがあるとして、ザンビア国債の保有者が利払いの減免を拒否している。

新型コロナウイルスの感染拡大が途上国経済に打撃を与え、過剰債務問題はより深刻さを増している。中国を含む主要20カ国(G20)は20年、パリクラブや国際通貨基金(IMF)と連携して債務問題に取り組むと合意した。対米摩擦を意識して国際協調を訴える中国だが、今後は自国にばかり有利な秘密条項の明記を途上国に突きつけにくくなっている。(竹内弘文、北京=川手伊織)

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