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知っておきたい3回目接種、効果は? 転居した人は?

日本で新型コロナウイルスワクチンの3回目接種(ブースター接種)が18歳以上を対象に12月1日から始まった。2回のワクチン接種が完了しても感染する「ブレークスルー感染」の恐れがあるためだ。まず医療従事者から開始して高齢者に広げていく。3回目接種の効果やスケジュールなどを解説する。

追加の接種はなぜ必要?

米ファイザーや米モデルナなど新型コロナワクチンの多くは2回の接種が基本だが、時間の経過でワクチンの効果が下がるとの指摘が出ている。ファイザーなどが米食品医薬品局(FDA)に提出した資料によると2回の接種後、徐々にデルタ型への感染予防効果は下がり、4カ月以降に当初の53%になった。3回接種をすれば感染リスクは約11分の1になるとしている。新たに報告されたオミクロン型に既存ワクチンが効くかどうかも検証が続いている。

東京都医学総合研究所の調査では、2回接種完了から7カ月程度経過すると、感染防止効果が期待できる中和抗体の濃度(抗体価)は13分の1程度に低下していた。ブレークスルー感染を防ぐには、適切な時期に3回目を受けることが重要になる。

2回接種してから原則8カ月後

厚労省は原則として2回目接種から8カ月後を接種のめどとするが、海外ではワクチンの効果が半年後には低下するとの報告もあり、感染状況などを踏まえた自治体の判断で6カ月後まで短縮できるとの見解を示した。ただ6カ月に短縮できるのは、クラスター(感染者集団)が発生した病院や高齢者施設の利用者、従業員らで、あくまでも例外的だ。2回接種を完了した人は12月中旬時点で全人口の77%。

12月から医療従事者を対象に始め、11月中旬から順次接種券が発送されている。22年9月末までの実施を想定する。厚労省は2回目と3回目の間隔を原則8カ月あける点から逆算し、2回目を同年1月末までに終えるよう呼びかけている。

職場接種は22年3月から

1回目の接種は2月から医療従事者を対象に始まっており、3~4月に2回目を打ち終えた人は104万人ほどいる。12月に接種後8カ月経過する計算になり、高齢者は22年1月から接種が始まる。接種券は2回目接種から8カ月以上経過するタイミングで発送される。企業などによる「職場接種」は22年3月にも始める予定。厚労省は企業向け説明会を11月26日に開催。29日以降は電話での相談(050・3645・9714)を受け付けている。職場接種では3回目も2回目までと同様にモデルナ製を使う方針で、使用の可否を巡り21年末にも諮問機関で議論される。

2回目までとは異なるワクチンでもOK

当面はファイザー製のみの接種となるが、今回の追加接種で厚労省は、2回目までと異なる種類のワクチンを使う「交互接種」を認める。米モデルナ製や英アストラゼネカ製を打った人も3回目にファイザー製を選択できる。逆にファイザー、アストラゼネカのワクチンを接種した人でも職場接種会場でモデルナ製を受けることが可能だ。堀内詔子ワクチン相は11月17日、3回目接種について「実施する医療機関などで複数種類を扱うことを可能にする」と述べた。接種希望者がファイザー製とモデルナ製のどちらを打つかを予約の際に選ぶことを想定する。堀内氏は「自分が打ちたい方を予約として入れることができる」と話した。会場側は例えば平日はファイザー製、土日祝日はモデルナ製の予約を受け付けるといった運用ができるようになる。先行する海外では追加接種のワクチンを選べたり、2回目までの種類にかかわらずファイザー製などを推奨したりする国がある。

接種券、引っ越し時の手続き不要に

今後、2回目のワクチン接種後に引っ越した人には、転居先の自治体から3回目の接種券が届くようになる。デジタル庁はワクチンの3回目接種に当たり、住民が転居したときでも本人の同意なしで他の自治体と接種記録を共有できるようになるとした。ワクチン接種記録システム(VRS)を改修し、12月中旬から各市町村が転出元の自治体に情報照会をできるようにする。

VRSはマイナンバーを使い全住民の接種データ記録を管理している。ただ制度上、住民が転出入する際に本人の同意を得ないと、自治体をまたいで接種記録を共有できなかった。これまで転居した人などに3回目接種を通知できず、「接種済み証」など接種履歴がわかるものを準備して転居先の自治体に申請する必要があった。

海外ではイスラエルが8月から先行して開始。対象は12歳以上で、同国保健省は2回目のワクチン接種から6カ月が経過すれば、「接種者」とは見なさない方針を示している。米国は9月からファイザー製で高齢者らを対象に始めた。シンガポールも9月に60歳以上の高齢者や介護施設の入居者らを対象としたが、ブレークスルー感染が増加したため、10月からは30歳以上に広げている。英国は40歳以上、医療従事者、16歳以上で基礎疾患を持つ人を対象に、2回目の接種から6カ月がたっていることなどを条件に始まっている。香港は11月から始めた。まず60歳以上の高齢者や医療従事者など約186万人を対象に実施している。

グラフィックス 竹林香織
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