東証大引け 続伸、ハイテク株などが指数押し上げ
9日の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前日比149円47銭(0.53%)高の2万8214円75銭で終えた。前日の米株高を背景に値がさのハイテク株などが買われ指数を押し上げた。これまでの円安基調に加え、9日のアジア株式市場が総じて上昇したことも日本株の買い安心感につながった。利益確定売りが出て、伸び悩む場面もあった。
日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。8日の米株式市場でナスダック総合株価指数が0.6%高となったことで東京市場でも電気機器株などが買われた。
日経平均は午前、前日の大幅高を受けて利益確定売りから上げ幅を縮小したが、心理的節目の2万8000円は維持した。正午すぎには日銀の黒田東彦総裁が岸田文雄首相と会談し、「為替の急激な変動は好ましくない」と述べたと伝わった。1ドル=142円台半ばまで円高・ドル安が進んだが、株式市場での反応は限られた。
大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストは「多くの輸出企業は為替前提を1ドル=120円台に置いており、140円台なら投資家による輸出企業の期待感に変化ない」とみていた。
東証株価指数(TOPIX)は続伸し、7.91ポイント(0.40%)高の1965.53で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆1436億円。売買代金が3兆円台に乗せたのは8月31日以来となる。売買高は12億2470万株だった。東証プライム市場の値上がり銘柄数は1205と、全体の約6割を占めた。値下がりは535、変わらずは97だった。
東エレクやアドテストなど半導体関連株が買われた。エムスリー、京セラ、ファストリ、KDDIも高い。中外薬、塩野義、バンナムHD、リクルートも上昇した。半面、ダイキンやソニーG、JR東海は売られた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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