東証大引け 利益確定売りで小反落、後場一時上げ転換も
8日の東京株式市場で日経平均株価は小幅に反落し、前日比21円81銭(0.07%)安の2万9708円98銭で引けた。国内主要企業の3月期決算発表を前に、目先の利益を確定する目的の売りが優勢だった。
日経平均は前場で一時200円超下げた。前日の米株式市場で、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が小幅ながら下落した。国内でも朝方は半導体関連株に売りが優勢だった。新年度に入って以降、ファンドなどの益出しやリバランス(資産配分の調整)の売りが続いているとの指摘もあった。
新型コロナウイルスの感染再拡大を巡り東京都は7日、緊急事態宣言に準じる措置を取ることができる「まん延防止等重点措置」の検討に入った。ただ、感染の再拡大はすでに広く認識されているうえ、こうした規制強化の検討も市場に織り込まれていたようだ。「すでに緊急事態宣言なども複数回経験するなかで、こうした政策が再導入されても材料視しにくい」(国内証券のストラテジスト)との声が出ていた。
午後になると日経平均は下げ幅を縮小し、引けにかけて上げに転じる場面もあった。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で日経平均先物が上昇に転じるなか、ファストリやファナック、東エレクなどの値がさ株が上昇幅を拡大し、指数を押し上げた。
JPX日経インデックス400は反落し、終値は前日比120.83ポイント(0.68%)安の1万7599.37だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、15.57ポイント(0.79%)安の1951.86だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆5445億円。売買高は11億3446万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1883銘柄と全体の8割超を占めた。値上がりは285、変わらずは22銘柄だった。
OKIやクレセゾンが3%超安。千葉銀や新生銀、コンコルディなど銀行株の一角が売られた。武田、日本紙も軟調だった。半面、川崎汽や日野自、日本取引所が上昇した。富士電機も高かった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕