東証大引け 続伸、半年ぶり上げ幅 米金融引き締め鈍化意識
4日の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前日比776円42銭(2.96%)高の2万6992円21銭で終えた。上げ幅は3月23日以来およそ半年ぶりの大きさ。米国のインフレ懸念がいったん後退し、運用リスクをとる姿勢が強まって心理的な節目の2万7000円に接近した。
3日発表の9月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が市場予想を下回ったことが手掛かりとなった。経済減速を示す内容がかえって米金融引き締めのペース鈍化を意識させ、同日の米株式相場が大幅に上昇。東京市場にも買いが波及し、東証の全33業種が上昇するなど、ほぼ全面高の展開となった。
相場の流れに順張りするCTA(商品投資顧問)の買いが朝方から入り、相場上昇に拍車を掛けた。2022年度の下期入りに伴って、年金をはじめとする機関投資家が新たにポジションをとりやすくなったとの見方もあった。
日経平均が2万7000円に迫ると戻り待ちの売りや利益確定売りが出た。市場では「世界的なインフレ懸念や英国の財政悪化懸念を払拭できたわけではなく、先行きの相場の戻り余地は限定的だ」(国内運用会社ストラテジスト)との指摘があった。
東証株価指数(TOPIX)は続伸し、終値は前日比59.31ポイント(3.21%)高の1906.89で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆2293億円。売買高は13億7866万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1777と、全体の9割超を占めた。値下がりは52銘柄、変わらずは7銘柄だった。
伊藤忠や丸紅、住友商が高い。ネクソンやエムスリーも上昇した。INPEXやENEOSも買われた。半面、川崎汽は下げた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕