東証大引け 3日続落 期初の益出し売りなど重荷
1日の東京株式市場で日経平均株価は3日続落し、前日比155円45銭(0.56%)安の2万7665円98銭で終えた。前日の米株安や期初の需給要因で利益確定売りが優勢だった。下げ幅は一時400円を超えたが、円安が進行したことなどから次第に押し目買いも入って下げ渋った。
前日の米ダウ工業株30種平均が利益確定売りで500ドル超下げており、東京市場でも幅広い銘柄に売りが先行した。東エレクやアドテストなど日経平均への寄与度が大きい値がさの半導体株の売りを促して、指数を押し下げた。日銀が発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業・製造業の先行き業況判断指数(DI)が一段と悪化する見通しとなったのも投資家心理を弱気に傾けた。
3月9日を底に相場は急ピッチで戻りを試していたため「新運用年度入りに伴って、国内の機関投資家が含み益のある株式を売却して早めに利益を確保しておこうとする益出しの売りを出した」(国内証券のストラテジスト)との指摘があった。
売り一巡後は下げ幅を縮小した。日本時間1日の米市場で原油先物相場が節目の1バレル100ドルを一時下回り、投資家心理の支えになった。さらに円相場が一時1ドル=122円台後半まで円安・ドル高になると、輸出採算の改善が意識されて輸出関連株の一角は下げ幅を縮めた。
岸田文雄首相は1日午前の参院本会議で、為替相場について「急速な変動は望ましくない」と答弁した。鈴木俊一財務・金融相の同日の会見でも同様の発言があったが、市場では「足元の円安は(経常収支の赤字など)構造的要因によるもので、けん制する発言が出ても基調は変わりにくい」(国内シンクタンクのエコノミスト)との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は3日続落し、前日比2.13ポイント(0.11%)安の1944.27で終えた。JPX日経インデックス400も3日続落した。
東証1部の売買代金は概算で2兆8935億円。売買高は11億9029万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1002、値上がりは1080、変わらずは94だった。
郵船や商船三井、川崎汽の海運株がそろって大幅安となった。塩野義やアステラス、JFEや神戸鋼も下落した。半面、任天堂やコナミHDが買われた。T&Dや第一生命HD、ヤマトHDや三越伊勢丹が高い。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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