東証大引け 3日続伸の317円高 海運の上昇目立つ
1日の東京株式市場で日経平均株価は3日続伸し、前日比317円90銭(1.20%)高の2万6844円72銭で終えた。ウクライナに侵攻したロシアに対する欧米や日本などの追加金融制裁が明らかとなり、市場の過度な警戒感がひとまず和らぎ日本株に買いが入った。午前には上げ幅を広げ、2万7000円台に乗せる場面もあった。
欧米主要国や日本が国際決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアの大手銀行などを排除することを決めたほか、ロシアの中央銀行によるドルなど外貨の取引を禁じた。追加制裁が明らかとなったことから、投資家のリスク回避の姿勢が和らいだ。
米金融政策を巡っては、米連邦準備理事会(FRB)が米国のインフレ対応だけでなく、ロシアへの金融制裁がもたらす金融市場への影響にも配慮するとの見方が強まっている。米国の長期金利の上昇には一服感が出ており、高PER(株価収益率)の銘柄に見直し買いが入った。
2月28日にはウクライナとロシアの代表団が停戦に向けた対話を開いた。両者の主張には隔たりもあるが、終了後には近く2回目を開くと伝わった。世界経済への悪影響が大きくなるとの懸念はひとまず後退したが、なお情勢は流動的とあって上値では戻り売りも出やすかった。
JPX日経インデックス400は3日続伸した。東証株価指数(TOPIX)も3日続伸し、終値は前日比10.24ポイント(0.54%)高の1897.17で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆344億円。売買高は12億4716万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1170と、全体の5割超を占めた。値下がりは937、変わらずは72銘柄だった。
商船三井が6%超高と海運株の上昇が目立った。三菱重や日揮HD、オークマが高かった。東エレクやエムスリー、バンナムHDも買われた。一方、T&DやりそなHDの下げが目立った。凸版や三井物、ANAHDも売られた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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