東証前引け 反落 米景況感に懸念、6割超の銘柄が下落
29日午前の東京株式市場で日経平均株価は反落し、前引けは前日比289円48銭(1.07%)安の2万6759円99銭だった。米国の景況感の悪化を受けて、投資家心理が弱気に傾いた。下げ幅は300円を超える場面もあった。
米調査会社カンファレンス・ボードが28日に発表した6月の米消費者信頼感指数が前月から低下したうえ、市場予想も下回った。米国で物価上昇の加速が景気後退を招くとの警戒感が改めて強まっており、東京市場でも景気敏感株を中心に売りが優勢となった。
日経平均は前日まで4日続伸し、心理的な節目の2万7000円台を回復していた。最近の急ピッチの相場の戻りを受けて、いったん利益確定売りや戻り待ちの売りを出す投資家も多かったようだ。6月末の配当権利落ち日に当たり、その影響で日経平均は32円ほど下押しされる。
5日移動平均(2万6668円、29日前引け時点)近辺まで下げると下げ渋った。中国政府が入国時の隔離期間短縮など新型コロナウイルスに関連する防疫措置の緩和を28日に発表したのを受け「中国の景気減速抑制につながり、経済的な結びつきの強い日本の株式相場を下支えする」(国内証券ストラテジスト)との指摘があった。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆3635億円、売買高は6億1319万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1164と、全体の6割超を占めた。値上がりは583銘柄、変わらずは87銘柄だった。
東エレクや太陽誘電が売られ、エプソンや安川電も安い。半面、東電HDや資生堂、サッポロHDなど上昇した。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕