東証前引け 続伸 幅広い銘柄に買い 取引時間中で昨年8月以来の高値
9日午前の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前引けは前日比160円37銭(0.56%)高の2万8604円56銭だった。一時、取引時間中としては2022年8月下旬以来およそ6カ月半ぶりの水準まで上昇した。前日の米ハイテク株高を受け国内でも半導体関連株などを中心に幅広い銘柄が買われ指数を押し上げた。
8日の米株式市場でナスダック総合株価指数は0.39%高、主要な半導体関連株で構成する米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.66%高で終えたことから、東京市場でも序盤から電気機器株などの上昇が目立った。
一方、東証による低PBR(株価純資産倍率)企業への資本効率の改善要請に期待した買いも引き続き入り、鉄鋼株や金融株が上昇した。日経平均の上げ幅は一時300円に迫ったが短期的な過熱感から、一服後はやや上げ幅を縮めた。
岩井コスモ証券の林卓郎投資情報センター長は、「低PBR株が多いことによる強い割安感、円安基調、インバウンド(訪日外国人)期待など好材料がそろっていることが日本株の独歩高につながっている」とみていた。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。一時、前日比20.39ポイント高の2071.60と取引時間中として21年9月以来の水準まで上昇した。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆4745億円、売買高は6億1142万株だった。東証プライム市場の値上がり銘柄数は1427と、全体の8割近くを占めた。値下がりは334、変わらずは74だった。
アドテストや信越化が買われた。東京海上、セブン&アイ、味の素、トヨタ、住友不、日本製鉄なども高い。半面、ファストリやGMO-PG、ネットワンは売られた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
関連企業・業界