東証前引け 続落 米ハイテク株売りで、決算の個別物色は支え
28日午前の東京株式市場で日経平均株価は続落し、前引けは前日比97円04銭(0.35%)安の2万7248円20銭だった。前日の米ナスダック総合株価指数の下落を受けて、東京市場でもハイテク株などに売りが広がった。下げ幅は一時360円を超えたが、200日移動平均(2万7197円、27日時点)を下回る水準では押し目買いや買い戻しが入った。
前日の米株式市場では、2022年7~9月期決算への失望などからハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が大幅に下落した。27日夕に決算発表したアマゾン・ドット・コムの業績見通しに警戒感が広がったのも、東京市場で投資家心理の重荷になった。
売り一巡後は下げ幅を縮小した。アドテストや信越化など、決算を手がかりにした主力株の一角への買いは相場の支えになった。外国為替市場での円安・ドル高を受けて自動車株をはじめ輸出関連株の一角も買われ「日銀の金融政策決定会合の結果公表や黒田東彦総裁の会見を控え、一段の円安進行を見込んだ思惑的な買いが入ったのでは」(国内証券ストラテジスト)との声も聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は小幅に反発した。午前終値は前日比2.60ポイント(0.14%)高の1908.16だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆5994億円、売買高は5億8779万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は781と、全体の4割を占めた。値上がりは960銘柄、変わらずは93銘柄だった。
ZHDやエムスリーが安い。川崎汽や商船三井の海運株が下落した。ファナックやSMCも売られた。半面、トヨタやスズキ、コマツや日立建機が上昇した。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕