東証前引け 続伸、グロース株けん引も失速 中国統計も上値抑える
16日午前の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前週末比64円64銭(0.24%)高の2万6492円29銭で終えた。前週末の米株式市場で主要3指数がそろって上昇した流れを受け、東京市場でも運用リスクを取りやすくなった投資家の買いが入った。値がさのグロース(成長)株の上昇が目立ち、上げ幅は400円を超える場面があった。
前週末の米国市場では、ハイテク株などグロース株の上昇が目立った。主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数が5%高となったことも追い風に、東京市場でも半導体関連銘柄の一部に買いが入った。好決算や自社株買いを発表した銘柄にも買いが入った。
もっとも、物色の方向が定まらず、「指数先物への買いが主導する形で、指数への寄与度が大きい値がさ株に買いが入った面もある」(ピクテ投信投資顧問の糸島孝俊ストラテジスト)との見方があった。米株価指数先物が日本時間16日午前の取引で下落に転じると、日経平均先物にも短期筋の売りが出て指数は伸び悩んだ。午前に発表された4月の中国の工業生産高が市場予想を下回ったことも、日本株の上値を抑えた。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。午前終値は前週末比2.56ポイント(0.14%)安の1861.64だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7247億円、売買高は8億801万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は515と、全体の3割弱にとどまった。値下がりは1278、変わらずは37だった。
KDDIやマツダ、NTNが買われた。ソフトバンクグループやファストリが上昇し、エムスリーやNTTデータも高かった。一方、DOWAやヤマハ発は大幅安。日清粉Gやオリンパス、楽天グループも安かった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕