東証前引け 続落 短期の地合い悪化、中国統計や円高も重荷
15日午前の東京株式市場で日経平均株価は続落し、前日比264円66銭(0.93%)安の2万8343円83銭で終えた。中国の経済統計など重要な指標の発表を前に積極的な売買を手控えるムードが強い中、短期的な地合いが悪化しているとみた投資家が主力銘柄を売ったことで、下げ幅を広げた。外国為替市場で円高・ドル安が進み、自動車や機械といった輸出関連銘柄の重荷となった。
前日の米株式市場では米長期金利の低下を受けて金利低下局面で買われやすい高PER(株価収益率)の主力ハイテク株に買いが入った。ただ、「中小型の高PER銘柄の一部が売られ、将来的な金利上昇への警戒が根強いことを示した」(大和証券の林健太郎シニアストラテジスト)との見方がある。東京市場でも高PER銘柄の一部が売られ、指数を押し下げた。
午前に発表された中国の4~6月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比7.9%増だった。同時に発表した6月の経済指標では経済成長のペースが鈍化したことを意識させる内容もあって、日本株の弱材料として意識された。
日経平均は戻りの鈍さが嫌気され、短期的な地合いが悪化しているとの見方がある。主力銘柄に持ち高調整の売りが出やすかった一方で、倉庫や建設の一部には買いが入った。「衆院の解散・総選挙を前に補正予算が組まれるとにらみ、内需関連の一部が物色対象となった可能性がある」(ピクテ投信投資顧問の糸島孝俊ストラテジスト)との指摘が出ていた。
東証株価指数(TOPIX)は続落し、午前終値は前日比0.86%安だった。JPX日経インデックス400も続落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で9904億円、売買高は4億6250万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1480と、全体の7割弱を占めた。値上がりは580、変わらずは126だった。
ニコンが5%超下げた。いすゞや日野自が売られた。リクルートやエムスリーも安かった。一方、住友大阪や太平洋セメが高かった。清水建や大成建が買われた。スクリンも上昇した。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕