東証前引け 大幅続落 米銀破綻の警戒売り続く、金融株が軒並み急落
14日午前の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落し、前日比530円32銭(1.91%)安の2万7302円64銭で前場を終えた。下げ幅は700円を超える場面があった。米国で銀行の経営破綻が相次ぎ、世界の金融システムに混乱が波及するとの懸念から金融株を中心にリスク回避の売りが膨らんだ。
10日に経営破綻したシリコンバレーバンク(SVB)に続き、12日にシグネチャー・バンクが破綻したことを受け、世界の株式市場に動揺が広がっている。銀行を中心に金融株を売る動きが午前の東京市場でも続いた。三菱UFJが一時8%あまり下落した。りそなHDも一時10%安となり、昨年12月に日銀が政策修正を発表した後の上昇分をほぼ帳消しにした。第一生命HDも大幅安となり、業種別の東証株価指数(TOPIX)では保険が下落率で首位だった。
日本郵政が13日、傘下のゆうちょ銀株の売り出し価格について1131円に決めたと発表した。売却総額は1兆2000億円超と大きく、売り出し株取得を目的に個人投資家などが既存の保有株を売却する換金売りが相場下落に拍車を掛けたとの指摘もあった。日経平均はチャート分析上の下値支持とみられていた200日移動平均(2万7354円近辺)を下回り、下げが加速した側面もあるようだ。
東証株価指数(TOPIX)は大幅に続落し、前場の下落率は2.34%だった。一時は下落率が3%を超えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆1038億円、売買高は10億7217万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1767と、全体の9割を超えた。値上がりは60、変わらずは9銘柄だった。
トヨタが昨年来安値を更新した。日産自とマツダも安い。一方、レーザーテクが朝安後に上昇に転じた。エーザイ、JR東日本が買われた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕