東証前引け 大幅続落、米銀破綻の混乱に警戒、銀行株に売り
13日午前の東京株式市場で日経平均株価は大幅続落し、前週末比437円90銭(1.56%)安の2万7706円07銭で前場を終えた。米銀シリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻を受けて投資家のリスク回避姿勢が強まった。前週末の米株式相場が下落した流れで日本株にも売りが優勢だった。
米連邦準備理事会(FRB)の引き締めの余波で銀行の経営が悪化しているとみられるなか、SVBに続いて、ニューヨークを地盤とするシグネチャー・バンクも破綻した。金融市場での混乱の連鎖に警戒感が広がり、東京市場でもメガバンク株や地銀株に売りが波及した。
ソフトバンクグループ(SBG)など値がさ株も総じて売られ、相場を押し下げた。市場では一連の米銀破綻を受けたFRBの金融政策への影響について、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%に利上げ幅を再び拡大する可能性は低下したという受け止めがあった。2月の米雇用統計がそれほど強い内容でなかったことも、利上げ加速の観測後退につながった。
もっとも、「FRBの金融政策の行方はあくまで米消費者物価指数(CPI)次第」(国内のエコノミスト)という声もあった。日経平均が下げ幅を500円超に広げるような場面では下値で買いが入る場面もあったが、買いの勢いには欠いた。
東証株価指数(TOPIX)は大幅続落し、前週末比2.02%安となった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7095億円、売買高は8億1161万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1770と、全体の96%を占めた。値上がりは57、変わらずは8銘柄だった。
ファナック、ダイキン、第一三共、KDDIが下落した。一方、川崎汽、商船三井、エムスリー、コナミGが上昇した。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕