東証前引け 続伸し527円高、9割の銘柄が上昇
30日午前の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前引けは前週末比527円67銭(1.97%)高の2万7309円35銭だった。米国のインフレ加速への懸念がいったん和らいだことで、投資家が運用リスクをとる姿勢が朝方から優勢だった。
前週末27日発表の4月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、総合指数、食品とエネルギーを除くコア指数とも前年同月比の伸び率が前月から鈍化した。米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めに積極的なタカ派に一段と傾く可能性が薄れたとの見方から、前週末の米株式相場は大幅に上昇。東京市場でもグロース(成長)株や景気敏感株など幅広い物色につながった。
週末に明らかになった、岸田文雄政権が6月にまとめる「新しい資本主義」実行計画が支援材料になったとの見方もあった。同計画にはスタートアップ支援や成長分野への労働移動などが盛り込まれる見込みだが、分配重視から将来の成長を重視した政策に軸足を移して好印象との受け止めがあった。
香港株などアジアの株式相場が30日に堅調に始まると、日経平均は一段高となった。日経平均の将来の予想変動率を示す日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は一時20.21まで低下し、節目の20に迫った。
東証株価指数(TOPIX)も続伸した。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6434億円、売買高は6億1148万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1644と、全体の約9割を占めた。値下がりは155銘柄、変わらずは37銘柄だった。
安川電やキーエンス、ファナックが大幅高。リクルートやソニーG、サイバーも買われた。半面、郵船や川崎汽などの海運株がそろって下げた。東京海上やT&Dも安い。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕