外為12時 円、大幅高 135円台前半、3週ぶり高値
28日午前の東京外国為替市場で、円相場は大幅に上昇した。12時時点は1ドル=135円34~35銭と前日17時時点と比べて1円63銭の円高・ドル安だった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言が利上げペースを減速することを示唆したと受け止められ、将来の日米金利差縮小を意識した円買い・ドル売りが優勢となった。日本時間28日の取引で米長期金利が一段と低下したのも円やユーロなど主要通貨に対するドル売りを促した。
円は一時135円11銭近辺まで上昇し、6日以来およそ3週ぶりの高値をつけた。FRBは27日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%の利上げを決定。パウエル議長は記者会見で「累積的な(金融引き締めの)効果が経済とインフレにどう影響しているかを評価しながら、利上げペースを緩めることが適切になるだろう」と述べた。次回9月以降は大幅な利上げが避けられるとの見方が広がった。
10時前の中値決済に向けて、市場では「ややドル余剰だった」(国内銀行の為替担当者)との声が聞かれた。米利上げペースが鈍化するとの見方から積み上がっていた円売り・ドル買いの持ち高を解消する動きが加速するなか、輸出企業など国内実需筋による円買い・ドル売りが出たとの観測も相場を押し上げた。
9~12時の円の安値は136円41銭近辺で、値幅は1円30銭程度だった。
円は対ユーロでも上昇した。12時時点は1ユーロ=138円15~17銭と、同73銭の円高・ユーロ安だった。ユーロは対ドルで上昇し、12時時点は1ユーロ=1.0208~09ドルと同0.0069ドルのユーロ高・ドル安だった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕