外為12時 円、一時24年ぶり145円台 日銀緩和維持で売り加速
22日午前の東京外国為替市場で、円相場が大きく下落している。12時時点は1ドル=144円45~51銭と前日17時時点と比べて71銭の円安・ドル高だった。12時前に円は一時145円40銭近辺まで売られ、1998年8月以来となる145円台に下落した。日銀が大規模な金融緩和を維持すると決め、利上げを続ける米連邦準備理事会(FRB)との差を意識した円売り・ドル買いが加速した。だが、売り一巡後に円は急速に反発する場面もあった。
日銀は22日まで開いた金融政策決定会合で大規模緩和を維持すると決めた。金融政策の先行き指針(フォワードガイダンス)は修正せず、新型コロナウイルス感染症対応金融支援特別オペ(コロナオペ)の期限も再延長。21日にはFRBが大幅利上げを実施し、政策金利見通しも上方修正していたため、日銀による緩和姿勢が鮮明となり円売り・ドル買いに拍車がかかった。
円は24年ぶりの安値を更新した後、143円50銭近辺まで急速に上昇する場面もあった。急ピッチな円安が進んだのを受け、14日には日銀が為替介入の前段階とされる「レートチェック」を実施していた。145円の大台を割り込んだことで日本政府・日銀が為替介入に動くとの警戒感が高まり持ち高整理を目的とした円買い・ドル売りが活発となった。
円は対ユーロでは上昇し、12時時点は1ユーロ=141円86~95銭と、同59銭の円高・ユーロ安だった。
ユーロは対ドルで下落した。12時時点は1ユーロ=0.9820~21ドルと同0.0090ドルのユーロ安・ドル高だった。一時は0.9807ドル近辺と、02年10月以来およそ20年ぶりの安値水準をつけた。ロシアのプーチン大統領の演説をきっかけにウクライナ情勢を巡る緊迫感が高まっている点も欧州通貨の重荷となった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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