外為8時30分 円、小幅安 103円台後半 ユーロは対ドル・対円で下落
26日早朝の東京外国為替市場で円相場は小幅に下落して始まった。8時30分時点では1ドル=103円75~76銭と、前日17時時点に比べ5銭の円安・ドル高だった。新型コロナウイルスのワクチン普及の不透明感から、投資家はリスク回避姿勢を強めており、低金利の調達通貨とされるドルはユーロなどに対して買われやすく、対円でもドル買いの流れが波及している。
ただ市場では「25日のニューヨーク債券市場で米長期金利が大きく低下した。日米金利差の縮小観測が広がっており、円には買いが入りやすい状態だ」(国内シンクタンクのエコノミスト)との声も聞かれた。また米議会上院は25日、米財務長官にイエレン氏が就く人事を承認し、同氏の就任が確定した。ただこれを受けた市場での反応は限られている。
ユーロの対ドル相場は下落して始まった。8時30分時点では1ユーロ=1.2142~44ドルと、同0.0037ドルのユーロ安・ドル高だった。運用リスクを避ける「リスクオフ」のムードが強まっていることに加え、25日発表の1月の独Ifo景況感指数が市場予想も下回ったことも、引き続きユーロ相場の重荷となっている。ユーロは円に対しても下落して始まった。8時30分時点では1ユーロ=125円98銭~126円00銭と、同32銭の円高・ユーロ安だった。対ドルでのユーロ安が波及した。
イタリアのコンテ首相が26日に辞任する見通しと伝わった。政権内の混乱が続いていたことから、市場では「25日の海外市場ではユーロが下落しており、既に織り込み済みという雰囲気だ」(FX会社の為替アナリスト)との指摘があった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕