NY商品、原油続落 FRBの利上げ加速への警戒で 金は続落
【NQNニューヨーク=川上純平】8日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の4月物は前日比0.92ドル(1.2%)安の1バレル76.66ドルで取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)が利上げを加速し、将来の米景気が冷え込んで原油需要が減退するとの見方から売りが出た。
FRBのパウエル議長は7日の議会証言で、今後の経済指標次第で利上げを加速する考えを示した。8日朝に雇用サービス会社のADPが発表した全米雇用リポートは、非農業部門雇用者数が市場予想を上回った。労働需給の逼迫が賃金インフレを招くリスクが意識され、金融引き締めへの警戒感が高まった。
原油相場は下値の堅さも意識された。米エネルギー情報局(EIA)が8日発表した週間の石油在庫統計で原油在庫が市場予想に反して減少した。足元の需給は引き締まっているとの見方は買いを誘った。
ニューヨーク金先物相場は小幅に続落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である4月物は前日比1.4ドル(0.1%)安の1トロイオンス1818.6ドルで取引を終えた。FRBの利上げ加速で金利の付かない資産である金の投資妙味が薄れるとみた売りが優勢だった。