NY商品、原油が続伸 ロシア制裁を受けた需給逼迫観測で 金は小反落
【NQNニューヨーク=横内理恵】27日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の8月物は前週末比1.95ドル(1.8%)高の1バレル109.57ドルで取引を終えた。ロシアからのエネルギー供給減で需給が一段と逼迫する可能性が意識された。27日発表の米経済指標が市場予想を上回り、米景気悪化に伴う原油需要減への警戒感が和らいだのも買いを誘った。
主要7カ国首脳会議(G7サミット)が27日、ロシアのエネルギー制裁強化を目的に同国産石油の価格に上限を設ける案で合意した。これを受け、市場ではロシア制裁に消極的な中国やインドへの販売が増え、欧州諸国へのエネルギー供給が一段と細る可能性が意識された。
27日朝発表の5月の米耐久財受注額が前月比0.7%増と市場予想(0.2%増)を上回り、設備投資の先行指標とされる「航空機を除く非国防資本財」も増加した。米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めが米景気を冷やすとの懸念は強いが、急激な原油需要低迷の観測が後退した。
ニューヨーク金先物相場は小反落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である8月物は前日比5.5ドル(0.3%)安の1トロイオンス1824.8ドルで取引を終えた。米長期金利が上昇し、金利の付かない資産である金の投資妙味が低下した。半面、外国為替市場でドルがユーロなどに対して売られ、ドルの代替投資先とされる金の下値は堅かった。