NY原油が反落 在庫増で5カ月ぶり安値
【NQNニューヨーク=川内資子】3日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は大幅に反落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で、期近の9月物は前日比3.76ドル(4.0%)安の1バレル90.66ドルで取引を終えた。一時90.38ドルと中心限月としてほぼ5カ月ぶりの安値を付けた。米国の原油とガソリン在庫がともに市場予想に反して増え、需給が緩んでいるとの観測につながった。
米エネルギー情報局(EIA)が3日発表した週間の石油在庫統計で、原油在庫が市場の減少予想に反して大幅に増えた。ガソリン在庫も増え、夏季のドライブシーズンの需要の強さは限られるとの見方を誘った。
原油先物は朝方は買いが優勢だった。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国から成る「OPECプラス」は3日、9月に原油を日量10万バレル増産すると決めた。バイデン米大統領は7月に増産を求めてサウジアラビアを訪問したが、増産幅は小幅にとどまった。産油国の増産余力は乏しいとの見方もあり、買いを誘った。
ニューヨーク金先物相場は反落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である12月物は前日比13.3ドル(0.7%)安の1トロイオンス1776.4ドルで終えた。3日の米債券市場で長期金利が上昇した場面で、金利の付かない資産である金先物の売りが優勢となった。