NY商品、原油が続落 中国の新型コロナ懸念で一時10カ月半ぶり安値 金も続落
【NQNニューヨーク=古江敦子】21日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場が4日続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の12月物は前週末比0.35ドル(0.4%)安の1バレル79.73ドルで終えた。一時は75.08ドルと期近物として1月上旬以来、10カ月半ぶりの安値をつけた。中国の原油需要の減少観測や主要産油国による増産の報道が相場を押し下げた。
中国本土ではコロナの新規感染者数が前週末も増加し続け、一部の主要都市でロックダウン(都市封鎖)が実施されたと伝わる。中国の景気回復が遅れ、原油需要が細ると懸念された。原油相場に強気だったゴールドマン・サックスが目先の価格予想を引き下げたのも重荷となり、1月初めに付けた年初来安値に迫った。
主要産油国による増産の報道も売りを誘う場面があった。米ウォール・ストリート・ジャーナルが21日午前、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国から成る「OPECプラス」が12月4日予定の会合で、最大で日量50万バレルの増産を協議すると報じた。
売り一巡後は下げ渋った。サウジアラビア国営通信(SPA)が即座に増産報道を否定し、買い直しのきっかけとなった。OPECプラスの会合を見極めたいとのムードが取引終了にかけて広がった。
金先物相場は5日続落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で、取引の中心である12月物は前週末比14.8ドル(0.8%)安の1トロイオンス1739.6ドルで終えた。外国為替市場でドルがユーロなど主要通貨に対して上昇し、ドルの代替投資先とされる金から資金が流出した。
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