NY商品、原油が反発 米国の需要増加観測で 金は反発
【NQNニューヨーク=戸部実華】1月31日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は3営業日ぶりに反発した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の3月物は前日比0.97ドル(1.2%)高の1バレル78.87ドルで取引を終えた。インフレ鈍化を背景に米金融引き締めペースが緩み、米景気後退が避けられれば原油需要が増えると見込んだ買いが入った。中国の需要回復観測が改めて広がったことも相場を支えた。
31日発表の2022年10~12月期の米雇用コスト指数は前期比の上昇率が7~9月期から縮小し、市場予想も下回った。米連邦準備理事会(FRB)が賃金インフレを見極めるうえで重視する指標のため、利上げ減速につながるとの見方を誘った。中国では国家統計局が31日発表した1月の総合購買担当者景気指数(PMI)が大幅に改善し、4カ月ぶりに好不況の境目となる50を上回った。
原油先物相場は伸び悩む場面もあった。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどを含む「OPECプラス」は2月1日に共同閣僚監視委員会を開く予定。1日は米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表、2日には欧州中央銀行(ECB)理事会と中銀会合が相次ぐ。重要イベントを控え、内容を見極めたい雰囲気も強かった。
ニューヨーク金先物相場は反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である4月物は前日比6.1ドル(0.3%)高の1トロイオンス1945.3ドルで取引を終えた。米長期金利が低下し、金利の付かない資産である金先物の投資妙味が増すとみた買いが入った。ドルが円やユーロに対して売られたことも、ドルの代替投資先とされる金先物の買いにつながった。