NY円、反発 1ドル=131円80~90銭で終了 米景気懸念で円買い
【NQNニューヨーク=横内理恵】17日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反発し、前日比1円95銭円高・ドル安の1ドル=131円80~90銭で取引を終えた。金融システム不安が米景気悪化を招くとの見方から、低リスク通貨とされる円の買いが優勢だった。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ終了を予測した円買い・ドル売りもあった。
一時は131円56銭と2月半ば以来の水準まで円高・ドル安が進んだ。米株式市場で米地域銀行のファースト・リパブリック・バンク株が再び急落し、他の地銀株も売られた。16日には米大手銀11行がファースト・リパブリックを資金支援すると発表したが地銀に対する経営不安が払しょくされなかった。信用状況の悪化で銀行が融資を抑制し、景気を冷やすとの観測が強まった。
FRBが21~22日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送る可能性が意識され、市場の想定よりも早い段階で利下げに動くとの観測も浮上している。17日の債券市場では金融政策を反映する米2年債利回りが前日比0.32%低い(価格は高い)3.84%に低下し、日米金利差の縮小も円買いを後押しした。
この日の円の安値は132円74銭だった。
円は対ユーロで反発し、前日比1円40銭円高・ユーロ安の1ユーロ=140円55~65銭で取引を終えた。
ユーロは対ドルで続伸し、前日比0.0055ドルユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.0660~70ドルで終えた。米景気懸念やFRBの利上げ観測後退がユーロ買い・ドル売りを誘った。ただ、欧州中央銀行(ECB)が利上げペースを緩めるとの見方もあり、ユーロの上値は重かった。
この日のユーロの高値は1.0685ドル、安値は1.0613ドルだった。
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