NY円、反落 1ドル=115円25~35銭 対欧州通貨のドル買いが波及
【NQNニューヨーク=戸部実華】7日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3営業日ぶりに反落し、前週末比65銭円安・ドル高の1ドル=115円25~35銭で取引を終えた。ロシアへの経済制裁でエネルギー相場が高騰し、世界景気を冷やすとの警戒感が高まり、運用リスクを回避する動きが広がった。流動性が高いドルをユーロや英ポンドなど幅広い主要通貨に対して買う動きが強まり、対円のドル買いに波及した。
欧米がロシア産原油の輸入禁止を検討していると伝わり、供給懸念から米原油先物相場は6日の時間外取引で一時1バレル130ドル台と2008年7月以来の高値を付けた。ロシアによるウクライナへの攻撃が続き、両国の停戦交渉に進展はみられない。目先はエネルギー価格が高止まりし、インフレや消費減退につながるとの見方が広がった。
市場では「欧州経済はロシアのエネルギーへの依存度が高く、ウクライナとの地理的な近さから打撃を受けやすい」(邦銀為替ディーラー)との見方が根強い。ユーロや英ポンドに対するドル買いの勢いが増しやすかった。
もっとも、円は売り一巡後は下げ渋った。米株式市場でダウ工業株30種平均は797ドル安で終え、ドルと同様に低リスク通貨とされる円にも買いが入った。
円の安値は115円47銭、高値は115円21銭だった。
円は対ユーロで3日続伸し、前週末比30銭円高・ユーロ安の1ユーロ=125円10~20銭で取引を終えた。
ユーロは対ドルで6日続落し、前週末比0.0080ドルユーロ安・ドル高の1ユーロ=1.0850~60ドルで取引を終えた。一段と緊迫しているウクライナ情勢に伴う景気懸念がユーロ相場の重荷となった。ユーロの安値は1.0846ドル、高値は1.0933ドルだった。