NY円、続落 1ドル=145円35~45銭、米雇用統計受けドル買い
【NQNニューヨーク=川内資子】7日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日続落し、前日比25銭円安・ドル高の1ドル=145円35~45銭で取引を終えた。7日発表の9月の米雇用統計が労働市場の引き締まりを示し、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な利上げが続くとの見方から円売り・ドル買いが優勢となった。
雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比26万3000人増と市場予想(27万5000人)ほど増えなかった。一方、失業率は3.5%と横ばいを見込んだ市場予想に対して低下し、平均時給は前年同月比5.0%上昇と高い伸びを維持した。市場では「米労働需要の緩やかな減速を示したにすぎず、米連邦公開市場委員会(FOMC)で積極的な利上げ姿勢を緩める根拠にはならない」(バークレイズ)と受け止められた。
FRBは当面は大幅利上げを続けるとの見方から、米長期金利は一時3.9%台と前日終値の3.82%から大きく上昇した。日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが優勢となった。円は一時145円44銭と9月22日以来の円安水準を付けた。
ただ、積極的に円売り・ドル買いを進める動きは限られた。145円半ば近辺の円安・ドル高水準では、日本政府や日銀が再び円買いの為替介入に踏み切ることへの警戒感が高まるという。
円の高値は144円55銭だった。
円は対ユーロで3日続伸し、前日比60銭円高・ユーロ安の1ユーロ=141円50~60銭で取引を終えた。
ユーロはドルに対して3日続落し、前日比0.0065ドル安の1ユーロ=0.9725~35ドルだった。FRBが大幅利上げを続けるとの見方からユーロ売り・ドル買いが優勢となった。7日発表のドイツの経済指標が欧州経済の減速懸念を強めたのもユーロには重荷となった。
ユーロの安値は0.9727ドル、高値は0.9802ドルだった。
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