NY円、反発 1ドル=143円10~20銭 為替介入の思惑で
【NQNニューヨーク=古江敦子】14日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3営業日ぶりに反発し、前日比1円45銭の円高・ドル安となる1ドル=143円10~20銭で取引を終えた。日本政府・日銀が急速な円安・ドル高に対応して為替介入に動くとの思惑から日欧市場で円買いが進み、その流れを引き継いだ。
14日の東京市場で日銀が市場参加者に相場水準を尋ねる「レートチェック」を実施したと伝わった。レートチェックは為替介入の準備とされ、同市場で一時145円に迫った円は急速に買い直された。米市場でも為替介入を意識する円買い・ドル売りが続き、円は一時142円56銭まで上昇した。
円は買い一巡後に伸び悩んだ。13日発表の8月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったのをきっかけに、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを加速させるとの観測が強まっている。金融緩和を続ける日銀との政策の違いに着目した円売り・ドル買いを誘った。
市場では「為替介入が実施されても、日銀が大規模な金融緩和を続ける限り円は弱含む」(CMCマーケッツのマイケル・ヒューソン氏)との見方があった。
円の安値は143円50銭だった。
円は対ユーロで続伸し、前日比1銭30銭の円高・ユーロ安となる1ユーロ=142円80~90銭で取引を終えた。ドルに対する円買いが、円の対ユーロ相場に波及した。
ユーロは対ドルで反発し、前日比0.0010ドル高い1ユーロ=0.9975~85ドルで終えた。米長期金利の上昇一服で欧米金利差の拡大への警戒感が和らぎ、ユーロ買いがやや優勢となった。
ユーロの高値は1.0009ドル、安値は0.9970ドルだった。
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