NY円、続落 1ドル=117円25~35銭で終了 一時5年ぶりの円安・ドル高水準
【NQNニューヨーク=横内理恵】11日のニューヨーク外国為替市場で円相場は大幅に5日続落し、前日比1円15銭円安・ドル高の1ドル=117円25~35銭で取引を終えた。一時は117円35銭と2017年1月以来、5年2カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けた。米インフレ懸念や利上げ観測の高まりを背景に円売り・ドル買いの勢いが強まった。
10日発表の2月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る伸びとなり、市場では米欧の対ロ制裁を受けた資源高によるインフレ加速も見込まれている。米連邦準備理事会(FRB)が15~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを実施し、5月以降も積極的に金融引き締めを続けるとの見方が強まった。
半面、日銀は金融緩和を続ける姿勢で、日米の金融政策の方向性の違いが改めて意識された。インフレや利上げ観測から米長期金利の先高観が強く、日米金利差の拡大を見込んだ円売り・ドル買いもあった。
この日の円の高値は116円83銭だった。
円は対ユーロで反落し、前日比35銭円安・ユーロ高の1ユーロ=127円90銭~128円00銭で取引を終えた。
ユーロは対ドルで続落し、前日比0.0085ドル安い1ユーロ=1.0900~10ドルで終えた。ロシアのプーチン大統領が11日に「ウクライナとの対話で前進があった」と述べたと伝わり、円と同様に低リスク通貨のドルが対ユーロで売られる場面があった。
ただ、その後ロシア軍がウクライナ西部にも攻撃を拡大していると報じられ、ユーロ買い・ドル売りは続かなかった。米欧日がロシアからの輸入品に高い関税を課す追加の経済制裁に踏み切る方針を表明した。欧州景気への影響が懸念され、ユーロ売りを誘った。
この日のユーロの安値は1.0902ドル、高値は1.1011ドルだった。
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