NY円、横ばい 1ドル=103円85~95銭で終了 円・ドルともに売り
【NQNニューヨーク=横内理恵】19日のニューヨーク外国為替市場で円相場は横ばいとなり、前営業日の15日と同じ1ドル=103円85~95銭で取引を終えた。バイデン新政権の大型の追加経済対策への期待や日米の株高が低リスク通貨とされる円の重荷となった。ただ、市場心理の好転で、流動性が高くリスク回避時に買われやすいドルにも売りが出て円の下値を支えた。
次期財務長官に指名されたイエレン前米連邦準備理事会(FRB)議長が上院公聴会に出席し、新型コロナウイルスの感染拡大に対応した追加の経済対策の必要性を訴えた。バイデン氏は1.9兆ドル規模の経済対策を提案しており、大型の財政出動が米景気回復を促すとの期待が高まった。
イエレン氏の発言が市場心理の改善につながり、米株式市場ではダウ工業株30種平均が4営業日ぶりに反発した。株高を受けてやや円売り・ドル買いが優勢になる場面があった。ただ、円売りの勢いは限られた。欧州通貨や新興国通貨に対してドルを売る動きが優勢で円を下支えた。
イエレン氏は通貨政策については「価値は市場で決定されるべき」とし、他国の通貨安誘導をけん制した。ただ「米国の経済的な利益のためにドル安を求めない」とも述べ、通貨政策を巡る発言への反応は限られた。
この日の円の安値は104円05銭、高値は103円84銭だった。
円は対ユーロで反落し、前営業日比60銭円安・ユーロ高の1ユーロ=125円95銭~126円05銭で取引を終えた。
ユーロは対ドルで4営業日ぶりに反発し、前営業日比0.0055ドル高い1ユーロ=1.2125~35ドルで終えた。イエレン氏が景気回復に注力する姿勢を見せたことや米株高を受け、投資家が積極的に運用リスクを取る動きを強め、ユーロ買い・ドル売りにつながった。
ユーロの高値は1.2145ドル、安値は1.2116ドルだった。